”横溝正史” さんの小説「八つ墓村」のあらすじと要約、読んだ感想をお伝えしたいと思います。
感想にはネタバレも含みますので、まだ読んでいない人はご注意ください!
小説『八つ墓村』のあらすじと要約
「八つ墓村」は横溝正史による長編探偵小説です。
日本三大名探偵と呼ばれる名探偵のひとり、金田一耕助が登場する作品で、金田一耕助シリーズとしては4作目にあたります。
今作の舞台は「八つ墓村」。
その村には戦国時代、村に逃げ込んできた落武者8人を、彼らが持っていた財宝などを目当てに、村人たちが惨殺したという伝説がありました。
そして時は流れ、大正時代。
落武者を手に掛けた首謀者の子孫・要蔵が、32人もの村人を虐殺するという事件が発生します。
要蔵はその後山中に逃げ込み、消息は杳として知れず。
さらに20数年後、辰弥という青年にスポットが当てられます。
彼がこの作品の主人公であり、それこそがこの作品における最大のポイントになってきます。
ある日、天涯孤独の身である辰弥の元に、彼の身寄りが彼を探しているという情報が入りました。
彼は自分の祖父だという人物と面会しましたが、祖父はその場で血を吐いて死んでしまいました。
次いで、八つ墓村の関係者に、辰弥は自分が要蔵の息子であるという衝撃的な話を聞かされます。
そして辰弥が足を踏み入れた八つ墓村では、彼を中心に、いくつもの血の惨劇が巻き起こり始めるのです。
ここからはネタバレを含んだ感想となりますので、まだ読まれていない人はご注意ください!
小説『八つ墓村』を読んだ感想(ネタバレ含む!)
この書籍が発行されたのは1971年、今から50年近くも前です。
しかし、そのあまりの読みやすさに非常に驚きました。
ストーリーのテンポも良いし、登場人物たちのも「この人は誰だったっけ?」となりにくい書き方をされていて、サクサクと読み進めてしまいました。
また、私にとってはこの作品が初めての金田一耕助シリーズです。
だから、最初は作品について行けるのだろうか?と不安でしたが、この作品は主人公が金田一耕助ではないばかりか、
主人公と金田一耕助はほとんど常に別行動していることもあり、これまでのシリーズを読んでいなくても全く違和感なく読むことができました。
そして、主人公が金田一耕助「ではない」この作品を心底楽しめたことにより、このシリーズの面白さは金田一耕助ありきではない、ということをまざまざと突きつけられました。
シリーズ1作目から読み始めるのももちろん面白いと思いますが、私は、シリーズの入り口としてこの作品を強く推したいです。
まとめ
「八つ墓村」は、金田一耕助シリーズの4作目にあたる長編探偵小説です。
しかし、シリーズ1~3作目を読んでいなくても、十二分に楽しめる作りになっています。
また、金田一耕助シリーズの1作でありながら、主人公が金田一耕助ではなく、また主人公が金田一耕助とほとんど別行動をとっているところも大きなポイントです。
金田一耕助シリーズが気になっている方は、シリーズ1作目から読み進めることもオススメですが、まずはこの「八つ墓村」から手にとってみることも一興です。

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